2008年11月22日土曜日

九十九の差し押さえの件で:ABLってなに?

(※)ABL(アセット・ベースト・レンディング)  在庫が販売されて売掛金となり、売掛金が回収される過程の「事業のライフサイクル」に着目し、在庫・売掛金を一体として担保取得し、極度枠を設定するスキームを言います。

よーするに不動産でなく動産を担保にする融資なわけですが何がどうなって差し押さえにいったのか。

当社は、平成 20 年8 月28 日、九十九電機に対し、同社の在庫商品等の動産を担保として、貸付を行いました。その後、九十九電機は、平成20 年10 月30 日に民事再生手続開始の申立てを行いました。同社との契約によれば、この申立てにより、同社は、担保物である在庫商品等を販売する権限を失うものとされていました。

しかし、九十九電機は、その後も、当社の了解のないまま、在庫商品等の販売を事実上継続し、その結果、当社の担保物は大幅に毀損されました。また、当社からの再三の申入れにもかかわらず、かかる状況は改善されず、当社から提示した返済計画案についても、九十九電機からは応諾できないとの回答があるにとどまりました。

当社としては、以上の状況を踏まえ、このままでは当社の担保物の毀損が一層進む危険性があることから、担保物の保全を図るために、やむを得ず、仮処分の申立てを行い、裁判所の仮処分命令に基づいてその執行を実施し、担保物を執行官の保管(現時点で当社が処分するものではありません)に委ねることにしたものです。
2008年11月21日 NECリース株式会社 以 上


再生手続きの時点で勝手に売っちゃ駄目よ、の契約内容が謎だけど、普通に潰れた場合に債権者が押し寄せる前に会社の財産差し押さえに行くのと理屈としてはそう変わらないわけか。

で、その筋のスレではageさんがNEC(リース)は悪くない、当然のことをしているだけだと連呼。

確かにその通りなんだろうけど
そもそもこのスキームでは企業は再生できないし、
 貸手もリスクに見合った担保が取れない欠陥商品なのではないか?


という、いったい誰得な疑問はぬぐえない。

はっきり言ってしまえば、
「ユーザーからすればまだ営業を続けるつもりの九十九が潰れるのは望ましくないんだよ」
に集約される。特に地方都市の自作ユーザーとか。
(あとはまあ日本特有の感情として「借金取り立てる奴は悪者」っつーのもある。)

そんなわけでNECは九十九にトドメをさしたブランドとして記憶されることになった。
とはいえ、趣味のパソコンユーザーがNEC製品を買うって選択肢はもうすでにありえないので、ここでNECというパソコンブランドが地に落ちたところで大勢に影響はない気はする。
すでに他社の価格にも性能にも追従できてないし。
パソコン事業からの撤退は2年以内とみた。

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